動物の権利 1冊でわかる

「生命あるもの」として動物を尊重しようとする「動物の権利」の考え方と背景を、肉食・動物実験・動物園・ペットなど問題別に幅広く概観。
デヴィッド・ドゥグラツィア (著), 戸田 清 (翻訳)
単行本(ソフトカバー); 224p; 18x12.8cm
岩波書店(2003-09-06)
動物の権利    1冊でわかる 表紙
¥ 1,470 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
おすすめ度5(2006-05-28)
これはいいですよ、ほんとに
動物権利論を一般向けに開いていく貴重な作業だと思います。
入手容易な日本語文献で、動物権利論の最近の動向に触れられるのは
これくらいしかないんですね(そう思うと寂しいけど)。
訳者の戸田清さんが巻末に付された日本語の文献リストも
とても有用です。

柔軟に物事を考えられる貴重な年代である中高校生とか、
動物権利論はキワモノだと思いこんでケギライしてる人に
読んでほしいです。

[目次]
動物の道徳的地位
動物とはどんな存在か
苦しみ、監禁、死による危害
肉食
ペット飼育と動物園
動物を用いた研究

おすすめ度4(2006-03-04)
動物の権利(アニマル・ライト)とは
著者は、「感受性を有する動物」は「道徳的地位」を持っていると主張します。
そして「平等な配慮」に値するとも主張しています。
動物は道徳的地位、あるいは道徳的権利を持っているのでしょうか。
著者は動物の心の世界、利害を理解する枠組み、肉食の倫理、ペットや動物園で動物を飼うことの倫理について反論を交えながら論証していきます。
後半には、野生動物を捕獲すべきか、動物園で動物を飼育すべきかなど、動物園廃止ディベートの論拠、証拠資料として使える部分も多くあります。
動物の権利について知ることのできる良書です。

おすすめ度4(2005-12-14)
動物の権利の導入書として現在でも有効です
本書は著者自身の動物の権利に対する立場を明確に宣言する所から始まります。
この時点で著者がどのような視点(もしくは影響下)でこの問題を検討しているのかが読者にわかり、
この本を読む上で非常にプラスになりました。またそういった著者の姿勢にも良い印象を受けました。
そして4章を割いて、動物の権利という概念が発展していく歴史的経緯から、動物の権利を考える上での、
「功利主義」「道徳的地位」「平等な配慮」「動物とは?」「苦しみ」といった概念や問題を一つづつ解説、
整理しており、まずここだけでも動物の権利を勉強の大いに役立ちます。

また、実際の現場における動物の権利の問題を3つの視点から検討、反論しており、そこから展開される
著者の洞察は公平であり説得力があります。しかし同時に、この問題が一筋縄では行かない事も如実に表れています。
私の興味がある動物実験についても、なかなか説得力がある理論が展開されており「ぐぐぐ」となってしまう一方、
コストベネフィットの考え方に「ベネフィットが達成される見込み」を掛けろという主張は説得力がありそうだけど、
基礎研究の様なものにそれを求めるのは、難しいのでは無いか!?とも思ってしまう。

しかし、全体的には割と突っ込んでいながら深入りし過ぎてもいない、コンパクトにまとまった良書だと思います。
参考文献の紹介ではハンス・リューシュ氏の著作に「ハンスの極論には注意が必要」という注釈がついており、
危険な文献に対する注意があるとは親切だなと思いました。値段も手頃です。
この本をガイドブックに読み倒しながらアニマルライツ世界に進攻するのが良いでしょう。

おすすめ度4(2004-01-12)
動物虐待問題の論理的基礎
 動物の権利とはすなわち虐待を受けない権利のことである。欧米での動物虐待反対運動はすさまじく、ペット、食肉、動物実験など様々な場面で過激な活動が行われている。毛皮反対のため裸でデモをしたり、動物実験監視のため研究所に侵入したりする話は有名だろう。本書も強硬な動物虐待防止論者の著作かと思って読み始めたのだが、そうではなかった。

 動物の権利の有効性を論理的に検証していく、公平で信頼できる内容であった。たとえば、動物の痛みはどのような要件によって判断されるかとか、動物に道徳的地位はあるのかとか、動物虐待を考える上で基礎となる部分をしっかりと押さえてくれている。活動家にとっても初学者にとっても必須の入門書であろう。

 ただ、現実に存在する個別の問題に対しては、本書では対応しきれない。膨大な参考書目から選び出すのが良いだろう。

おすすめ度4(2003-09-10)
適切な入門書
「動物虐待なんてひどい」というのは簡単ですが、なにが「動物虐待」なのか、なぜそれを「非難」することができるのかを論理的に説明するのは結構大変です。街の仔猫を虐待なら非難する人が多数ですが、それが動物実験となるとさてどうでしょうか?

この本では、いくつかの代表的な立場を整理し、それぞれの立場から、動物実験やケージで卵を生むだけの鶏をどう解釈するかがのべられ、この問題に簡単な正解が存在しないことが明らかにされています。

巻末にはかなり広範な参考文献リストがあります。そういう意味でこの本は動物倫理のガイドです。この1冊をよんで自分の立場を再確認したら、リストの中気になる文献に手をひろげていきましょう。



ぷーちなび犬本