犬の話 角川文庫

犬と人の、切なく愛しい関係。名エッセイのアンソロジー。どうして犬という存在は、人の心の最も深い部分を揺さぶるのだろう。武田百合子、庄野潤三、向田邦子、江國香織ほか、現代を代表する名文家による犬についてのエッセイ20篇を収録。
角川書店
文庫; 181p; 14.8x10.4cm
角川書店(2002-09)
犬の話 角川文庫 表紙
¥ 460 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(3件)
おすすめ度5(2005-06-04)
心が揺れます
ひとつひとつの話が短いので、ちょっとした空き時間にも読む事が出来ます。
が、私は仕事の休憩中、とある喫茶店で読んで失敗しました。
何故なら、読みながら「ニコニコ」「ニヤニヤ」「クスクス」。挙句には「ウルウル」となってしまったのです。端から観たらヘンな人です!
話が短いだけに、犬たちの行動や仕草、筆者の心の動きなどが次々と文面に現れ、それを読む私も自分の愛犬との日常を重ねてしまうので、様々な想いが次々と交錯してしまうのです。

犬を飼ったことがある人、愛してやまない人は、必ずいくつか自分や自分の犬と重なる部分を見つけ、そして心を揺さぶられます。
文章の上手い方々が簡潔に淡々と綴った文章だからこそ、というのもあります。巻末に筆者紹介もあるので、自分と同じ「犬好き」という親しみを持ちつつ、彼らの他作品も読んでみようかという気持ちになります。

おすすめ度5(2002-11-09)
犬と人との心の交流
本書に納められているエッセーは全部で20編。どれも著者と犬との繊細なやり取りが読み取れ、僕の心をほんの少し暖かくしてくれた。そして自分が幼なかった頃に飼っていた犬のことを思い出し、僕の心は少しだけ揺れた。

現代技術の発展、特にコンピュータ関係の発展の仕方を、「ドックイヤー」と呼ぶ。犬の1年は人間の4年に相当するので、このドックイヤーという呼び方は、時間の過ぎ方の違い(特に急激な時間の進行)を意味する。本書を読むと、忙しい現代に生きる自分がドックイヤーを生きる犬との相対的な時間経過において、ある種の時間の流れの緩やかさを感じることができるのである。

僕の飼っていた犬もそうであるが、現在その犬はもうこの世にはいない。多くの飼い主は、その心の通った犬が死んでしまうことを直視せねばならない。本作品群でも、著者と犬との別れが多く取り上げられており、著者の回顧録としての「犬の話」は心を揺さぶられるものがある。

素敵な装丁も含めて、膨大な作家達の作品の中から犬に関する記述を見つけ出し、素敵に編集した編集者(の方々?)にも感謝したい。きっと犬好きな心の温かい編者(達?)だと思う。作家の中には僕の知らない方々も多くいた。筆者紹介が文頭ではなく、巻末にあることは、先入観なく各エッセーを読め、しかも各著者の経歴も読後にわかるため、ありがたかった。そんな些細な点にも編者は気を使っているか、と小さな感動を憶えたのである。

おすすめ度5(2002-10-10)
笑い、泣ける話が満載!
一口に言えば短編集。編集部が、犬の出てくる作品から適当な部分を抜き出した物を20集めている。
一つ一つに、書き手の犬への愛情が込められた文章で、思わず一気に読み終えてしまった。さすがに、犬との死別とその後の思い出を綴った文章を読むと、眼が潤んでしまった。
武田百合子に一番心引かれたが、逆に阿川弘之には当惑。

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