白い犬とワルツを 新潮文庫

長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てない―真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。
テリー・ケイ(著),兼武 進
文庫; 272p; 15x10.6cm
新潮社(1998-02)
白い犬とワルツを 新潮文庫 表紙
¥ 580 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
おすすめ度5(2008-03-24)
読後感最高です
悲しくて切ないお話なのですが、読後感はとても優しくて暖かな気分になれます。
海外でドラマ化された方を先に見てしまった方も、こちらの原作を一度読まれる事をオススメします。(ドラマはドラマで大変良い作品なのですけどね)

老人と、妻と、家族と、そして犬が織り成す人間模様。
さすが、名作には名作と呼ばれるだけの理由とパワーがあります。

おすすめ度3(2007-09-29)
話題になった割には・・・
足の不自由な老人サム。最愛の妻コウラをなくしたところから話は始まる。
ある日サムは白い犬を目にする。サムの日記を中心に話は進んでゆく。

老人のいろいろな感情がこと細かに書かれており、展開が遅く読みづらい。
しかし、最後のほうになると急にばたばたと展開して行き拍子抜け。
最後も予想のつくありきたりな終わり方。
だからこそメルヘンといえるのかもしれないですが。

もう少し老いた時に読むと、若いころのことを思い出し、それに固執したり
心のよりどころにしたりする気持ちに共感できるかもしれない。
でも今はまだ共感できない部分の方が大きいかな〜


おすすめ度4(2007-09-08)
美しい話です
白い犬は、サムを慰めるために現れたのだと思う。
サムを一人にしないために、子供や孫に囲まれているときには姿を消していて、サムが一人になるときには姿を現す。

子供や孫は常にサムのことを本気で気にかけているが、サムの心情を完全に汲み取れない、でもそれもサムは手にとるように分かった上で感謝しながら好きなようにさせている。

サムとコウラの何十年も一緒にいる間にできた理解や愛情は、親子の愛情とはまた違うものであるとつくづく感じる。

妻の思い出や面影が、「白い犬」の姿としてサムの孤独感を癒しにくるぐらい、サムはコウラと強くて温かい "家族" を築いてきたんだと思います。
サムのために何かしたいとサムの下に集まってくる子供たちからも、それが伝わってきます。

ラストシーンはとても情感たっぷりで美しいと感じました。

おすすめ度4(2006-09-05)
生きる希望を与えてくれる大人の童話
同名の映画の原作。私は映画は観ていないが、TVで前宣伝のフィルムを観ていた。

話は長年連れ添った妻を亡くして一人孤独に生きる老人の前に、一匹の白い犬が現れ、それをキッカケに老人は段々と生きていく希望を取り戻していくというもの。白い犬は最初は老人にしか見えない。普通に考えれば、白い犬は亡妻の化身と考えられるが、あるいは宗教的な意味合いがあるのかもしれない。白い犬との触れ合いの中で、亡き妻との愛情が語られるのも感動を誘う。

物語のハイライトは老人の元に数十年ぶりの同窓会の通知が舞い込み、数百キロ離れた目的地に旧式の自動車(というよりは耕運機に近い)に乗った老人が、ゆっくりとゆっくりと、しかし力強く進む姿である。生きる希望を取り戻した老人の活力と悠揚迫らぬ心の落ち着きぶりが印象に残る。冒頭で述べた、TVの前宣伝でもこのシーンを流していた。

同窓会でますます元気を取り戻した老人は家に帰るが、その頃には周りの人にも白い犬が見えるようになる。話は、老人がこの先、短いかもしれないが、充実した人生を送ることを示唆して終る。全ての人にこの「白い犬」が居ればなぁと思うが、案外身近な所にいるのかもしれない。大人のメルヘンである。

おすすめ度4(2006-04-30)
美しい愛の物語
主人公のサムは、長年連れ添った最愛の妻を心臓麻痺で失ってしまう。そんな彼の前に真っ白な犬が現れ、二人(一人と一匹?)の共同生活が始まった。しかし、サム以外の人間には犬の姿が見えない。「頭がおかしくなったんじゃないか。」と心配する娘たち。
話は最後まで淡々とすすむが、彼の妻に対する深い愛情、迷うことの無い真っ直ぐな生き方がこの物語を非常に清清しいものにしている。時折でてくる妻との思い出は美しく、夫婦愛、家族愛についてあらためて考えさせられる。
最初はサムにしか見えなかった犬も、次第にまわりの人々に姿を現すようになる。
誰のそばにも「白い犬」はきっと存在する。見えるか見えないかは自分次第なのだ。



ぷーちなび犬本