動物感覚―アニマル・マインドを読み解く

動物は、人間が見過ごしてしまう微細な情報を感じとることができる。その鋭すぎる感覚ゆえに臆病だが、同時に驚異的な能力も発揮する。自閉症であるからこそ知りえた動物の感覚を研究した成果を、初めて発表した。全米ベストセラー・科学ノンフィクション
テンプル グランディン
単行本; 443p; 18.6x14cm
日本放送出版協会(2006-05)
動物感覚―アニマル・マインドを読み解く 表紙
¥ 3,360 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
おすすめ度5(2007-02-13)
未自覚の世界の存在
自閉症である著者が、自閉症で在るが故の特殊な物の見え方を利用して、
動物の目になり、人の世界との橋渡しを解説してゆく本です。
人の世界には、見ているようで見ていない、気づいてるようで気づいていない事
は山ほどあります。しかし、それを自覚している人は多くない。気づかなければ
ないものとしてすぎてしまうからです。
 動物に多く関わってきた経験から、一方的なしつけの仕方、訓練の仕方に
疑問を持っていました。好奇心と恐怖。これは動物の行動に大きく影響していて
、個体によって程度の差が大きいからです。
著者は、人の頭では推測できない動物の視点を、人に示しました。
動物と人(特に言語によって思考するタイプの人)との間に、一本の橋を渡した
という功績は、これからの動物との共存に大きく貢献していく視点だと思います。
 

おすすめ度3(2007-01-18)
自閉症で苦労したのはわかりますが
動物好きにとっては絶対に気になる内容でしょう.
私も非常に期待して一気に読み進めましたが,その程度かという残念な気持ちでした.
新しい驚きの動物の感覚を紹介するというよりは,動物の視点にたって考える必要が
あるでしょうというのが本書の結論でないかと思います.
著者が自閉症だからすごいというよりは,屠殺場で働く人などが人間の都合で考えていたのが
問題だと気付くはずです.
毎日殺しているわけですから,はっきりいって殺す相手に思いやりなんてもってないでしょうからね.
しかし,著者のいう動物感覚もあくまで人間の視点を通しての動物感覚ですが.
外国の著者によくありがちな自分の業績の自慢が端々に感じられ,つまらなくしています.
また,とにかく重複が多い印象を受けます.
その仕事をしているので仕方のないことかもしれませんが,
牛の恐怖を取り除く話が同じ内容で随所に出てきます.
内容的には面白い題材なので,著者,編集者次第ではもっと興味深い構成,面白い内容に
できたと思います.
しかし,良い点としては犬の交配の歴史とその結果どういったことがおこったか
という話など,
遺伝子組み換え食品でくだらない議論をする前にこういった問題を考えて欲しい

考えさせられる貴重な内容です.

おすすめ度3(2006-11-30)
自閉症の人間」の恐怖と「動物」の恐怖は、で同じ
 例えばP288「動物の恐怖は違う」では、「自閉症の人間」の恐怖と「動物」の恐怖は、「過剰特異性(意味は、読んでみてください)」で同じものと括られている。
 これには、次の反論がある。
 その指摘は、「人間が動物に感情移入してみたてた、擬人法にすぎないのではないか」ということだ。「なぜなら、動物には、人間のような複雑な心はないのだから」と。
 更に、これに対しては、次の反論がある。
 一・論理的整合性がとれなくても、経験則で、「自閉症の人間」の恐怖と「動物」の恐怖は、親和性があるとまでは、言えるのではないか。
 ニ・人間同士でも所詮、類推して、「相手にも心があるらしい」ことにしている。

 私自身は、上の一・ニは反論として有効と思えるので、本書の評価を☆3つで保留します。






おすすめ度5(2006-10-04)
著者の才能に驚きました
自閉症である著者が、自分の自閉症である部分と向き合い、そしてまさにそれを活かして活躍の場をどんどん広げていらっしゃる事に驚きました。動物の持つ感覚、人間という動物の感覚、自閉症として生まれた自分が感じることのできる感覚、このまるで違うように思える感覚を実に見事に文章で表現し、[人は一部分しか見ていないが、動物は全体を見ている]というくだりなどは、目からウロコでした。テンプル・グランディンの才能に驚き、目をみはる一冊です。

おすすめ度5(2006-09-18)
テンプル・グランディン
著者のテンプル・グランディンについては、随分前にオリバー・サックスの「火星の人類学者」を読んで知った。自閉症でありながら動物科学者であり動物に深い愛着を持っている。彼女が考案した食肉処理施設は、家畜に不安や苦痛を与えないように設計されており、世界中で使われている。彼女は人に抱きしめられるとパニックを起こしてしまうので、家畜を押さえる締め付け機を改良して使い、自分が気持ち良いだけの圧力をかけてリラックスする。こんな話が印象に残っていて、いつかこの人の自伝を読もう、とずっと思っていたら、この「動物感覚」が出た。
「動物感覚」を読んで、テンプル・グランディンの活躍が想像よりもはるかに凄いことが分かった。家畜が人道的に扱われているかチェックするために世界中を走り回っている。監査方法も理路整然と無駄がなく効果的で惚れ惚れしてしまう。もちろん動物科学や自閉症の研究もしている。動物が世界をどう感じているか、人間とどう違うのか、人間が動物にどう関わっているのか、実験、観察の結果を述べる研究者でありながら、まるで動物の代弁をしているようでもある。自閉症患者と動物は似ているところがあるそうだ。やや専門的なところもあるが、たいていは理解できる。へぇ、そうなんだとビックリすることや哺乳類の一員として妙に納得してしまうところもある。動物に関する蘊蓄が増えた。「哺乳動物と鳥はみな、自分たちを取りまく状況に好奇心と関心をもっていて、いいことが起こるのをほんとうに楽しみにしている。」という一文がとても気に入った。

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