ありがとう、ヘンリー―自閉症の息子とともに育った犬の物語
子犬のまっすぐな愛情を感じ、それにこたえること。それが自閉症の息子デールを大きく変え、成長させた。ゴールデンレトリーバーのヘンリーと息子の心温まる交流、そして別れ。18年間にわたる成長の軌跡を綴った感動のノンフィクション

ヌアラ・ガードナー(著) 入江 真佐子(翻訳)
単行本; 462p; 19.2x13.2cm
早川書房(2008-08)
¥ 2,100 (税込)
Amazon.co.jp カスタマーレビュー(2件)
おすすめ度

(2008-10-24)
思いやりあい
前半の彼の行動から、最後のヘンリーを思っての優しさの言葉が出る姿が素晴らしい成長。そのギャップが全て。イルカでなくても治療動物はいるんですね。
おすすめ度

(2008-09-01)
心の扉を開いた犬
著者は重度の自閉症児を持つ母親。デールとその家族の壮絶な闘いの記録である。
2歳になっても言葉を発しない、眠ることも食べることもしないで何時間も走り回る、かんしゃくを起こすと頭を壁や床にぶつけて自分を傷つけようとする。親とでさえコミニュケーションがとれないデールに、母であるヌアラはときに絶望し死のうとさえ思う。でも彼女は負けなかった。自閉症になんか息子を取られてたまるかという強い意志と、どんなことをしてでも学習のチャンスを与えようと決心したのだ。
犬に興味を示したデールを見て、ヌアラは犬を飼うことを思いつく。穏やかで子供にもやさしい性格を持つゴールデンレトリバーが選ばれた。デールによってヘンリーと名づけられた子犬。それまで誰ものぞくことさえできなかったデールの心のなかに、ヘンリーはそっと入り込み、人の目を見ることも会話することもできなかったデールが、ある日「愛してる」という言葉と概念を理解するくだりは涙、涙。
あたかもヘンリーが話しているように両親が工夫して始めた会話も、デールの心を開くきっかけとなった。ヘンリーを迎えたばかりのころ、デールが描いた絵と、すっかり成長し、青年となった彼が描いたヘンリーの絵を是非見比べてみて欲しい。この二枚の絵が、この青年の心の軌跡であり、努力のあかしであり、友情のしるしであることがわかる。
しかし犬がすべてを解決したわけではない。確かにヘンリーという犬はデールの最高の親友になったけれど、そこに至るまでには、両親や四人の祖父母、理解ある友人、教育関係者のたゆまぬ努力があったことを忘れてはならない。もちろんデール本人の努力も、である。
ぐいぐいと引き込まれるように読んだ。ときに涙し、ときに勇気を与えられ、たいへん読み応えのある本だった。
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