黄金の犬たち

利殖話を餌に、愛犬家にすり寄る怪しい男たち―。ペット業界の伝説として語り継がれる「東京畜犬事件」を丹念に掘り起こしながら、動物と共に生きることの意味を問う感動のノンフィクション。
福本 博文 (著)
単行本; 237p;
文藝春秋(1999-04)
黄金の犬たち 表紙
\1,600 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度5(2007-04-29)
本当の被害者は誰?
自分には関係がない世界だと思っていた。ところが読み始めると非常に興味深く、一気に読み終えてしまった。この本は、過去に社会問題となったペットの繁殖、利殖ビジネスの発端から結末までをわかりやすく描いている。(判断は微妙なところではあるが)彼らは最初から詐欺をしようとしてビジネスが始まった、ということではない。ビジネスが破綻してしまったのは事実だが...。ここには、ペット文化の健全な普及という大命題の中でも、特に「繁殖による利殖」という一側面が大きく出てしまったことによる善意から悪意への変質がある。日本のペット文化はこの事件を教訓に大きく質の向上が図られた、と言いたいところだが、決してそのようなことはない。あいわらず根強いブリーダー=利殖ビジネスという認識、愛犬家殺人事件、子犬を出演させ本質を覆い隠す金融会社のTVCF。今も本質は変わっていない。この事件の被害者は誰なのか?下心ありありで利殖ビジネスに便乗して多くを失った投資家...そんなことがあろうはずがない。では誰なのか?答えは簡単にわかるはずだ。そう、覚えている方も多いだろう。子供のころ日曜日の朝は動物を扱ったテレビ番組が多く流れていなかったか?イルカとか、犬とか。これはある種の洗脳、刷り込みだったのであるということをこの本から知った。社長がすべての罪を背負い、幹部だった残党は詐欺に加担した過去を隠しバラバラに散っていった。彼らは年月を経て堅気に戻り社会に吸収されていった。今ごろは、やさしいペットショップのおじさんとして近隣の子供たちに好かれているのだろう。いまさら彼らを追及するのは酷である。贖罪しているものと信じたい。日本人は投資、利殖話に弱い。そういえば昨年は株がブームにならなかったか?日本人は懲りずに同じことを繰り返しているのだ。最後に文庫化を切望する。



ぷーちなび犬本