ヒトはなぜペットを食べないか 文春新書 (439)

本来、性と食には禁忌はない? 犬猫食いの人類が、いかに愛玩者になりえたか。摩訶不思議なヒトへの洞察が深まる
山内 昶 (著)
新書; 193p; 16.8x10.8cm
文藝春秋(2005-04)
ヒトはなぜペットを食べないか    文春新書 (439) 表紙
¥ 714 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
おすすめ度4(2006-12-12)
導き出された結論よりもそこに至るまでの過程を楽しむ作品
第一章の犬食の歴史に始まり、猫食の歴史、獣姦の歴史、性と食を中心とするタブーの歴史…。古今東西の歴史を紐解き、タイトルの「ヒトはなぜペットを食べないのか」という謎を解明していくとともに、最後には現代文明の批判に辿りつくのだが、導き出された結論は驚くほどのものではない。よく考えれば誰でも気付きそうな結論である。

しかし、そこに至るまでの過程はかなり興味深く読むことができた。ただ、文章がいかにも学者的なかなり硬めな文章なので、読むのに結構時間がかかる。先人達の著作からの引用も必要以上に多い気がするが、それを割り引いても、読んでいて飽きることはなかった。

「ヒトはなぜペットを食べないのか」こういった当たり前に思われていることを“なぜ”と考えてみるのが、学者の学者たる所以なのであろう。

結果よりもそこに至るまでの過程と著者の博識振りを楽しむ本といえそうだ。


おすすめ度5(2005-06-27)
なぜだろう、と先ず考えてから読むと新鮮!
歴史、宗教、民俗学、多彩な引き出しから次々と取り出されるクルーの数々はランダムな色見本のようでいて徐々に一つの壮大な絵巻を構成してゆく。インテリのあなたには議論のあとのような爽やかさを提供してくれることでしょう。無知な私には?勉強要らずで超納得の解りやすさ。改めてペットを眺め、「ヒトとして生きなければ。。。」としみじみ思うかも!?

おすすめ度4(2005-06-18)
肉食に関する蘊蓄(うんちく)本
タイトルについての著者の見解はありふれたものであるが、食と性に関する嗜好と禁忌に関する世界中の話はとても面白い。
ただし新書本なのに文章が硬くて、ほいほいと読み進むというわけにはいかなかった。
雑学本というよりも蘊蓄本というべきだろう。それなりに面白く読めたので☆4つ。

おすすめ度1(2005-06-12)
まぁ、それにしても「創作料理」とは都合のいい言い草だね。
 75歳になる名誉教授様の本です。まず、偉そうな文体が鼻につきますが、あとがきに「半世紀以上の教師生活の悪癖がでて、生硬な生煮えのところがやはりあったかもしれない」と言い訳があるので、まあよしとしましょう。
 著者は文系・理系問わず、東西の文献を引いてきて、知識を見せ付けたいのはわかります。しかしこれはむしろ逆に“都合のいい箇所だけ拾ってきた”感を与えています。例えば、115ページでメアリー・ダグラス『汚穢と禁忌』を引いていますが、この本の肝である食物の競合について触れていない、また後で出てくるイスラム教の話ではこの本を引かないのは、共に、あえて避けているとしか思えません。
 また、博覧強記ぶりのせいか、細かいところの言葉の定義については勇み足が目立ちます。専門分野でなければ甘くなるのはしょうがないのですが、例えば、129ページの「統計的な有意差」なんて使い方間違えています。その他、僕が個人的に詳しいところは学者として危ない理解が目立ちますので、多分、他の分野もそんな感じなんでしょう。
 ただ、なにをおいても解せないのが、何度も何度も出てくる「人類は」とえらく大上段に構えた一般化と、「文化記号論ないし象徴人類学的方法」(あとがき)として挙げられる個別性の根本的な矛盾です。「やはり人類は云々」と書いて、そのあとに民族の特殊な事例を文献からいくつ引っ張ってきても、何の意味もない、空しい肉体労働に過ぎないことをこの本は良く示しています。「一風変った創作料理」(あとがき)だそうですが、まさに創作で、御老体の脳味噌から一歩も出ないまま本は終わります。それでいて独創性があればいいのですが、それもなく、しかも一次資料何も無し、引用のみ、その上、コンセプトが根本的矛盾では、目も当てられません。
 比べることも失礼ですが、鯖田豊之『肉食の思想』を再読したほうが時間とお金の節約になり、またためになります。

おすすめ度4(2005-06-01)
文化相対性の森
書名をみて「あたりまえじゃん」と感じた人は幸福な人生を送ってください。
ほう、何故だろうと思った貴方は文化相対性の深い森に誘われ案内人から博覧強記の甘い果実を受けることができる。
当たり前のことを当たり前と放置しない態度が知の入り口なのだ。
たとえば清末の実力大臣李鴻章がイギリスの外務大臣から贈答されたシェパードについて聞かれて「美味でした」と答えた如く。
しかしこれはお世辞だな。シェパードは筋が固そうだ。
 案内人の属性?は構造主義であるようで懐かしやレヴィ・ストロースも顔をだす。薀蓄ブームは構造主義の復権をもらたすか。
 実は私がかねてより不思議なのは何故ペットは人を食わないのか、だが。大きい犬とか飼っている家に幼児とか居るじゃないか。



ぷーちなび犬本