Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
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(2006-05-02)
普通の、不変の、愛犬物語
子の無い中年夫婦宅に柴犬の仔犬がやって来て、亡くなるまでの
歳月を描いた随筆。
(老年期の雪山での遭難を除けば)初めて犬を飼ったどこの家でも
見られるであろう驚き、喜び、小さな事件といったささやかな
日々が綴られています。
長じたハラスが仔犬の父親となり、作者がまるで孫が生まれたかのように
喜ぶ記述や犬の表情アラカルト、初めて読んだ時は『ふ〜ん』位に
思っていましたが、数年後犬を飼ったとき作者が感じた事が実感として
よく分かりました。
と同時に作者が自分の犬を心から愛し、愛する事で満たされ、
犬の隅々まで見落とす事無く見ている事が伝わって来ました。
『最も愛した相手であったとき、その死に人と犬との差があろうか』という
終盤の述懐は全ての愛犬家の胸に迫ると思います。
スナップもふんだんに本の中に収められていて、生前の暮らしぶりを窺う事が出来ます。
ガンコおじさんと素朴な柴犬のカップルはジャパニーズトラディショナル。
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(2005-10-26)
すべての愛犬家に
愛犬を亡くしました。16歳と9ヶ月でした。
詩歌の才の無いわたしには、他の方の詩歌をリフレインして悲しみを堪えることしかできません。
この著作は「ハラスが死んだあと、あんまり悲嘆にくれているのを見かねて・・『それならいっそその思い出を全部書いてしまわれたらいかがですか』とすすめ」られて書いたものであると「あとがき」にあります。
そして「私はこの文章が、犬を失った飼主の感傷以外の何物でもないことを承知している。だが、それが最も愛した相手であったとき、その死に人と犬との差があろうかと開き直る気持ちも私にはある。人は愛した者のためにしか悼むことはできはしない、とも思うのだ。」(「いないという事」)ともあります。
そのような著者の思いが全編に漲って(散文ではありますが)この著作は詩歌の響をともなうものともなっています。
今特に、この著作を読むことはわたしにとっての大きな慰めです。
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(2004-08-29)
犬好きのヨシミで推奨いたします。
犬を飼う。ありふれた事柄です。
犬なんぞどこにでも転がっています。
そのどこにでもいるイヌコロの一匹が、いざ、一緒に暮らしてみると、いつの間にやら掛け替えのない何かになります。
この本には、「ハラス」と名づけた柴犬との暮らしが淡々と綴られています。山で生じた失踪事件もありますが、多くは日常の出来事が描かれています。しかし、描かれている犬へと向かう感情はたいへん深いものがあります。
犬と暮らし、犬とともに年を重ね、ともに年老いていく。
そうした中で得られる、その深いものが日常の出来事の中に滲み出ていて、この本を読む者はこころ打たれます。
文庫版の方が売れているようですが、ハードカバーのこちらを手元に置いて、だいじに繰り返し読んで欲しいですよね。中野センセ。
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(2003-11-08)
骨太の愛犬物語
愛犬に関するエッセイ、小説が多い中、本書は骨太で心に響く逸品です。特にハラスに起きるアクシデントの章は、筆者のすさまじいまでの感情の起伏が一字一句に発散され、読むものをひきつけて離さない迫力がありました。これと対比するように、別れの章は筆者の人生に深く刻み込まれた”ハラスのいた日々”が、美しい結晶として描写され、読者に静かな感動を呼び起こします。
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(2002-10-31)
愛犬家の方へ
ハラスと中野さんの暖かい気持ちのつながりが、
読んでる自分と愛犬に対する気持ちに変化をもたらします。
いつも身近にいる愛犬への想いが、より一層強く暖かく変わっていきました。
是非おすすめ致します。