ダミアン物語―神さまを信じた犬

乱暴な犬と誤解されるピットブルテリアのダミアンは、一途に「あの人」を愛した-。科学実験のため悲惨な扱いを受ける犬と、必死に助けようとする女子医大生。堅い絆で結ばれた女性と賢い犬の、友情物語。
ダイアン ジェサップ(著),仲村 明子(翻訳)
単行本; 518p; 18.6x13cm
徳間書店(2001-09)
ダミアン物語―神さまを信じた犬 表紙
\2,100 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(5件)
おすすめ度4(2005-10-23)
犬と神様
ダミアンはピットブル。ピットブルといえば獰猛で攻撃性が高いというイメージだが、この本ではそれを払拭すべくなんとも心優しくたくましく頭のよい犬として描かれている。要するに飼い主次第なのだと著者は言いたかったのだと思う。

犬と人との友情を描いた小説には、犬が飼い主を守るためにその命まで捧げるというものが多いが、この本は正反対だ。実験動物として虐待を受け続けるダミアンを救おうとするエリザベスの一途さ、真剣さは痛いほど伝わってくるし、それに応えようとするダミアンの心もまた切ない。医師になるために犬を使った実験は避けて通れない道だと知りながら、彼女は悩み苦しみ、やがて自分の未来や家族まで捨ててダミアンを救うことにのみ生きる。

愛犬家にとって思わず本を閉じてしまいたくなるような悲惨な実験描写は正直辛かった。結末も苦い。ダミアンにとっての神様はエリザベスであったけれど、もうひとつ忘れてはならないのが彼の頭の中にささやきかけてくる太古の本能の声だ。これもまたダミアンの神様だろう。

その後のダミアンがとても気がかりだ。

おすすめ度3(2005-09-15)
犬に感動。人に絶望。
主人公は後に「ダミアン」と命名される若いピットブル。森でたくましく生きている。
野生状態で犬がどう生きるかを研究する学者と出会い、人間に興味を示し、学者の苦境を救うこととなる。しかし、その学者によって発信機を取り付けられ、そのため行動に制限を受け、生きる術を失う。
万策尽きた犬は学者に救いを求め接近を試みるが、研究のためと称して、一旦は見捨てられる。そして岩場で発信機が引っかかり餓死寸前となる。
瀕死の犬は学者の信念に反する行為によって一命をとりとめ大学に引き取られる。しかし、犬は学者に心を許すことはなかった。
そして犬にとって運命の人・エリザベスと出会う。エリザベスと「ダミアン」とのこころのふれあいは美しい。だが、「ダミアン」には過酷な運命が待っていた。
泣ける作品だ。

とはいうものの、「ダミアン」の気高さはともかくとして、エリザベスが正しいとは思えない。悪役としてセヴィルという野心に溢れ、倫理観を失した動物実験を行う男が登場するが、その悪に対してエリザベスがとる手段を見れば、登場する人間たちの行為はすべて独りよがりで滑稽でしかない。
この物語で人として救いを見出せるのは、バーバラという作者を投影させた女性と、セヴィルの助手・トムだけでしかない。
ハッピーには終わらないこの作品でエリザベスが命を落とすこととなるのは作者が用意した救済である。そう読んだ。

動物実験、研究手法などに対する批判と作者の犬に対する造詣の深さに瞠目させられる。

おすすめ度4(2004-10-14)
気がついたら夜に・・・
ピットブルは獰猛な犬種としれ知られているので、犬それぞれの性格などは関係なくピットブルを見たら恐ろしい犬として見られてしまう中、この本に登場するダミアンと大学生のエリザベスの犬と人間との関係がどのように変化していくかその様子がとてもおもしろくもあり、医学的な面でも考えさせられるような事が次々とダミアンに起こるので、楽しい部分もある反面、悲しくて涙なしでは読めないところもあります。
私はこの小説を読むにあたり、午前に読み始めて気がついたら暗くなっていたという程時間の経過を忘れるほど熱中して読みました。ページ数も多いので3日間かかりましたが、する事のない休日などに一気に読むのもお勧めです。読み終えると不思議と我が家の愛犬もダミアンと同じような理解力があるのではと錯覚してしまい、それからしばらくは愛犬を人間に話すように話しかけていましたので私にとっては、愛犬と自分との信頼にも大きく影響した一冊です。

おすすめ度4(2003-07-24)
イノセントワールドを探して
ブルテリアと少女のロードストーリーだが、一匹の犬の心象風景がすごく丁寧に描かれている。人と犬との長い歴史の中でDNAに刻まれた人間への無償の愛と、闘う犬の誇り。二人はただひたすらに自分たちの自由の天地を求めて、森の奥深くまで逃げ延びてゆくのだが、その行く手に待っているのは約束どおりの人間の欲望や傲慢。私自身、自ら死なせてしまった犬を思い出して、久しぶりに本で泣いてしまった。彼のためにもう二度と犬を飼わないと思っていたけれど、そんな思いも(ある意味これも人間の勝手な思い込み)ダミアンによって溶かされてしまった。世の中は空前のペットブームとかで、犬も猫も高価なアクセサリーにされている今日、改めて人と犬の美しい関係を思い出すのに最適な一冊だ。

おすすめ度4(2001-12-05)
涙なくしては読めない本
犬好きの人にはぜひ読んで欲しい本です。この本はダミアンという一頭のピットブルテリアとエリザベスという正義感の強い人間の女の子の話です。大学の研究教授にペットとしては使えないと判断されたダミアンは行動学の研究対象として使われることになりました。死にそうになっているダミアンを見つけたエリザベスはなんとしてでもダミアンを救おうとしますが、まだ医学生にもなっていないエリザベスの力は無いものも同然でした。初めは人間不信になっていたダミアンも次第にエリザベスに心を開くようになります。過酷な研究シーンを読むときは目を背けたくなるくらい胸が痛みます。また、ダミアンの心境を語っている様々なシーンもあり、それを読むたびになんてひどい人間がいるんだろうと実感する本です。!!ダミアンの心の叫びとエリザベスの澄んだ心。また動物研究によって医学が進んでいるという事実を明かすこの本は読んでいるときに心がかき乱されます。通勤中に読んでいて、家に帰って真っ先にしたことは自分の犬を抱きしめたことです。



ぷーちなび犬本