命のバトンタッチ―障がいを負った犬・未来

捨て犬の里親探しをしている麻里子は、右目が切られ、後ろ足首のない子犬と出会う。はたして、この子の里親は見つかるだろうか…。捨て犬たちを殺処分から救う里親ボランティアの活躍を描くノンフィクション
今西 乃子 (著)
単行本; 143p; 21.2x15.4cm
岩崎書店(2006-12)
命のバトンタッチ―障がいを負った犬・未来 表紙
¥ 1,260 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(2件)
おすすめ度5(2008-02-11)
処分される運命で障害を持った子犬が障害を感じさせないほど元気になるまで
この本に登場する、殺処分される運命の犬を動物愛護センターから救い出す活動をしている
山口麻里子さん、「千葉わん」の方々、そして里親となった人たちは、
年間約40万頭もの犬猫が殺処分されている日本では僅かな力でしかないのかもしれない。
しかし、彼女たちの活動がどれだけ救われた犬たちだけでなく、日本人の救いとなっていることか。

「解説」を読み、阪神淡路大震災の時の被災動物の救護活動において動物たちがいかに
被災者を救ったかを考えるとき、「命の尊さ」と「人と動物との共生」が今の日本に必要なのだと思う。

この本を読んで一番の感想は、「解説」の文末に書かれた
「動物が生涯安心して幸せに暮らすことのできる社会は、人間も幸せに暮らすことができる社会である。
そんな社会が1日でも早く来ることを心底願うばかりである。」
という言葉である。この言葉と本書を一人でも多くの人に伝えたいと思う。

おすすめ度4(2007-06-08)
命を敬う
生後1ヶ月足らず、右足の足首から下と左足のほとんどの指を切断され、右目も切られた状態で千葉県動物愛護センターに収容された仔犬。捨てた本人が虐待したのか、捨てられたのちに虐待を受けたのか、真実はわかりません。センターに収容されてはいても、生きていられるのは1週間だけ。期限が来れば殺処分されてしまいます。センターにいることだけでも厳しい状況なのに、この仔犬が背負わされた運命の過酷さに誰もが目を覆いたくなるでしょう。

そんな仔犬を救おうと立ち上がったのが、千葉で犬の保護ボランティアをしている山口麻里子さんでした。「未来」と名づけたその仔犬は、人間によってひどい目に遭わされたにもかかわらず、強い生命力とお転婆ぶりでたくましく成長していきます。体の不自由さなどみじんも感じさせないほどです。しかし里親を探すのも、未来の体が不自由なことを考えると一筋縄ではいきません。ただ「かわいそうだから」という気持ちだけでは、この先の10年以上の犬との暮らしを続けるのは難しいからです。

名乗りをあげた里親さんのなかで、麻里子さんの気持ちを動かしたのは九十九里海岸の近くに住む女性でした。理由は「砂浜なら未来の足に負担をかけずに走らせてやれる」。試行錯誤の末、やっと本当の家族を見つけた未来。まさに命のバトンタッチでした。

未来を捨てたのも人間、虐待を加えたのも人間。でもそれをなんとか救おうとしたのも、実際に家族として迎え入れたのも人間です。命の重さは人間も動物も同じ。命に敬意を払えない人間が増えてきている現代ですから、この本を通して命について考えてみて欲しいです。児童書です。



ぷーちなび犬本