妻と私と三匹の犬たち 河出文庫

江藤夫妻が、二十四年間ともに暮らした三匹の犬たち。東京・軽井沢・ワシントン・鎌倉と、在りし日の折々の生活を背景に浮き彫りにされる犬たちの姿。そして慶子夫人が愛情をこめて描き続けたさまざまなスケッチ。夫妻の共同創作を記念して、旧著『三匹の犬たち』の書名を変更し、新たに姪・府川紀子さんの感動の巻末エッセイを収めた、知られざる江藤家一族再会記。
江藤 淳 (著)
文庫; 243p; 14.8x10.8cm
河出書房新社(1999-11)
妻と私と三匹の犬たち 河出文庫 表紙
\567 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度4(2005-09-02)
作家の秘めやかな部分
 筆者江藤淳氏には、戦後日本の言語をめぐる状況、文学論、氏の個人的体験などをめぐる多くの著作がある。それらの著作のなかでも、本書の犬についてのエセーには、氏の内にある柔らかな、そして優しい部分が自然と流れ出ているように思われる。それは、まさしく氏が本書において、「犬とはプライヴァシイに属している」と語っていることと等価であろう。氏は犬を語るという形をとりつつ、その実、自身の内奥の感性に自然にかたらせているのである。
 私たちが「評論家江藤淳」について思い出すとき、その多くは、鋭い論客としてのそれであろう。しかし、本書はそのような氏の背後にある秘めやかな一面をのぞかせており、氏の人間としての全体像をうかがわせるという意味でも、興味深い。



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