漢方で犬・猫を元気にする

漢方でペットの治療に当たっている獣医師が長年の経験からどんな病気に漢方が効くのか、漢方の考え方はどうなのかなどを解説。巻末には動物に使う処方食・漢方薬を掲載。
沢田 めぐみ (著)
単行本; 207p; 18.6x12.8cm
世界文化社(2003-03)
漢方で犬・猫を元気にする 表紙
\1,365 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度1(2005-09-21)
動物に漢方、それは西洋医学の発想である!
治療の中心が、西洋医学の医院で使用されるエキス剤を初めとする方剤=日本漢方で使用されるものである以上は、以下の問題が存するはずである。

1. まず漢方は投薬に当たって、熱/寒・実/虚、燥/潤などを判断せねばならない。中医学の動物漢方家のような脈診・舌診が、日本の獣医師や一般のペット愛好家に可能になるのか。できないが故に、漢方体系と何の関係もないOリングテストで代替する獣医師まで市井には居る程だが問題はないのか。つまり病名処方的=西洋医学的投薬になってもいいのか。

2.そもそも人間用の漢方方剤は人間のためのものだ。例えば、漢方薬「竹葉石膏湯」(石膏・竹葉・粳米・白米・生姜・附子)に使われる竹葉は生薬としては-2(微寒)であり、体内の過熱を去るための薬だ。だがパンダには主食=常食するものであり、彼らには「平」で±0なのだ。また、逆に、処方中の粳米は人間には主食で「涼」食なのだが、人とのズレを考慮すると、パンダにとっては+1で「温」薬になるので炎症体質にしてしまうのだ。
 燥/潤も同様で、ネギは漢方では葱白で、人間では+1で燥だが、オオバコ(人間では+2)を常食するウサギには、-1で潤になるため、ネギの多食は人間を燥タイプの体質にし、ウサギに湿性病を与えることになる。

 このような矛盾があるのに、動物専用の漢方処方を作る訳でも無く、人間用を用いるというのは、西洋医学の薬品が、動物実験を経て人間に使われていることの逆でOKという発想と同論理という訳だが、それは実は東洋医学的発想とは対極にあるものではないのか。

 動物漢方を標榜する日本の類書に上の疑問点を解明したものは未だに無い。
 ちなみにレビュアーたる私は日本補完代替医療学会会員で、日本獣医学会会員でもあるが、そもそも農学部獣医学科で動物漢方の講座があるとは寡聞にして知らない。ということは、正式に日本で獣医漢方は教育されていないということなのだ。獣医師のまさに実験医療的段階なのである。即ち、中国で肝臓疾患に数%しか用いられぬ小柴胡湯を、日本では80%も多用して「間質性肺炎」という副作用を起こしてしまった人間相手の医師と獣医師は、いわば全く同じレベルにある訳である。

 獣医代替医療にハーブやビタミン・アミノ酸などを用いるのと、漢方を用いるのは実は異質なのだということをペット愛好者にはぜひ理解してほしい。

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