100歳になった介助犬

国産第一号の介助犬グレーデルは、車椅子で暮らす野口さんの大切なパートナー。14年にわたる人と犬の深い絆を描いた感動のドキュメンタリー
藤原 嗣治 (著)
単行本; 261p; 19.2x13.6cm
ポプラ社(2008-12)
100歳になった介助犬 表紙
¥ 1,365 (税込)
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おすすめ度5(2009-01-30)
国産第1号
千葉れい子さんという障害を持つ女性が、介助犬の存在を知って渡米。介助犬育成団体「インディペンデンス・ドッグ」から介助犬を譲られた。それが日本で初めての介助犬だった。1992年のことだ。千葉さんが犬を譲られたときの条件として、日本での介助犬の普及と啓蒙活動があった。こうして千葉さんは日本で初めての介助犬育成団体を設立する。グレーデルは日本で訓練を受けた「国産」第1号の介助犬である。本書ではグレーデルと、ユーザーである野口さんが歩んだ17年間を通して、介助犬を取り巻く現状を知ることができる。

グレーデルが介助犬として活躍している最中の2003年に身体障害者補助犬法が施行された。法律ができたから万全かと言うと、そうもいかない。犬の訓練方法や所有権、運営方法を巡って離散集合する育種団体の数々(盲導犬団体もそうだった)、現役で活躍している犬でも、国が定めた機関での認定試験を受けないと介助犬と認められずに単なるペットになってしまうという問題もある。一概に介助と言っても、求められることは一頭一頭違う。ユーザーの障害の状態によっても変わってくる。そこが盲導犬や聴導犬と違うところだろう。車椅子生活で、四肢が不自由な野口さんの苦闘の日々を読んでいると、法律ができただけで安穏としているわけにはいかないことがよくわかる。そして盲導犬もそうだったが、こうした犬を導入し、その存在を世に広めているのがユーザーであるという事実も重い。つまり犬を得ることに始まって、訓練方法を編み出すことや実生活に活かすこと、また世の中に広める活動などをほとんどユーザーが担っていることだ。その負担を少しでも軽くし、共に心豊かに生きられる世の中を作らなければならないと強く感じた。

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