晴太郎―3本足の天使

先天性障害を持ち、炎天下のなか捨てられていた子犬は「晴太郎」と名づけられ、著者のもとにやってくる。3度の手術、そして失ってしまった後ろ足。「2人3脚」での奮闘の日々と純真な命の輝きを綴ったしあわせと感動の記録
柴田 理恵 (著)
単行本; 165p; 19.2x13.6cm
ソニー・マガジンズ(2008-06)
晴太郎―3本足の天使 表紙
¥ 1,470 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度5(2008-07-02)
私に会うためにこの姿で生まれてきた
2005年、残暑厳しい9月の名古屋。ロケで名古屋に来ていた柴田さんと加藤晴彦さんは、不法投棄されたゴミの山からか細い子犬の鳴き声を聞いた。ロケの合間を縫って、声の元へ駆けつけた二人。ビニールテープでぐるぐる巻きにされた木箱。隠すように上に積まれたたくさんの箱。木箱を開けると汚物にまみれた2匹の子犬・・。しかもオスの子犬は左後ろ足がねじ曲がり、体に癒着していた。それが柴田さんと晴太郎との出会いだった。

名古屋の獣医さんのもとで足の剥離手術を受けた晴太郎。すぐに里親が見つかったメス犬リエと違って、晴太郎の貰い手はなかなか現れない。柴田さんは何度も名古屋に足を運び、ついに晴太郎を引き取る決意をする。ご主人は反対していたし、なにより不規則で留守がちな仕事である。そんな柴田さんの心を動かしたのは院長先生の作った一冊の絵本だった。

それまでしたことのない早起きをして夫婦ふたり、協力しあって晴太郎を散歩させ、傷の手当てや通院をこなし、と柴田さんの奮闘は続く。でもついつい悩んでしまうのも事実だ。「本当に自分でいいのか?この生活は晴太郎にとって幸せなのか?」この疑問は犬を飼ったことがある人なら一度や二度は突き当たったことがある壁ではないだろうか?本当の意味での家族になるための試練の壁のような気がしてならない。もちろん障害のあるなしに関わらずだ。

骨折から再度の切断を経て、晴太郎は完全に3本足になってしまったけれど、ひとつひとつ困難を乗り越えていくたびに、柴田さんの心には「私じゃなければダメなんだ」という強い気持ちが芽生えてくる。ふっきれた柴田さんにもう迷いはない。晴太郎はすっかり柴田さんちの子なんである。フォトエッセイなので写真も多い。晴太郎は足が長くて、立ち耳が凛々しいイケメンだ。3本足でもたくさんの愛や出会いを柴田さんにもたらしてくれた。柴田さんが言うように天使に違いない。柴田理恵さんのイメージは、人情家で涙もろく、人の痛みが理解できる人。だからこそひたむきに真剣に、真面目に晴太郎と向きあうことができたのだと思う。いっぱいの勇気と愛をこの本からもらいました。ありがとう。

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