犬たちの隠された生活

犬に意識はあるのか。犬はひとりでいるときに何をしているのか。人類学者が自らの飼い犬を長年観察して解き明かした犬の生活の謎。知られざる犬の生態を詳細かつ生き生きと描いた、全米ベストセラー作品。
エリザベス・M・トーマス (著), 深町 真理子
単行本; 211p; 19x12.8cm
草思社(1995-08)
犬たちの隠された生活 表紙
¥ 1,680 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(3件)
おすすめ度5(2007-04-10)
霊長類とは異なる次元の世界へ…
活字を読み始めると次々に絵が現われ、動き出す。
知人から預かった雄のハスキー犬、ミーシャ。そこからすべてが始まる。
優れたナビ能力をもち、遠出をし、自由自在に動くミーシャ。
著者は知りたいと思う。どこに行って、何をしてくるのか?何が目的なのか?
何を望んでいるのか? 犬は世界をどのようにとらえているのかを。
文献を調べても著者の知りたいことは何もでてこない。そこで自分で観察を始める。
ミーシャを、彼の愛した飼犬のマリアとの子供たちを。他の飼犬たちを。彼らの集団を。
著者が感じとったと思われる犬たちの世界について書きたいけど、書かない。
この本をこれから読む人に直接味わって欲しい。著者の文章を。
静かで美しい。




おすすめ度5(2005-06-12)
犬はひとりでいるとき、何をしているのだろう
11頭の飼い犬を、飼い主ではなく「学者」として、約30年にわたり観察しつづけた記録である。

犬が「自分」や「仲間」や「親」や「子」をどのように意識しながら生活をしているのか。それがまず、大変興味深い。集団の中での自己意識、というレベルでは人間もあんまり変わらないんじゃないか、という気がしてくるのが不思議だ。

飼い主としての愛情、犬たちとの心温まる交流といったエピソードも、もちろん膨大にあっただろうが、本書は、飼い主の感情は徹底的に廃し、犬の個体としての行動、犬社会のなかでの行動を坦々と綴っていく。それがために、全体に感情の起伏を抑えた大変静かな印象の本であるが、逆にその背景にとても大きく深い犬たちへの愛情が感じられて、それが静かな感動を呼ぶ。

動物を愛する人にとって、名著といっていいだろう。

おすすめ度4(2001-03-06)
不況下に生き残りをかける時こそ動物行動学系の本を読め!
 世の中は「弱肉強食」。本当は誰でもわかっているはずなのに、何故か日本人は「美しい言葉」で真実を隠そうとする。そして、隠そうとする人程、真実を熟知していたりする。

 人間も動物である。だから、人間社会が「複雑怪奇」と感じたら、動物の行動学系の本を読むといい。そこでは欲望のベクトルが裸になっている。

 本書79頁に「わが家の犬たちは…たがいの序列を見なおし、再編することに、多大の時間と精力を費やしていた。」とある。そう、権力争いと、それをひっぱるアッパークラスへの上昇志向は、人間特有のものではない。

 「当たり前のこと」だと思う。でも、その「当たり前のこと」がわかんなくなっているのが、今の、この、日本の、日本人の現状なのではないか?  内からわく自分の「したい」に、躊躇することの多い人こそ、動物行動学系の本を読もう!

 この本の163頁に「…そうした確固たる拠点ができてはじめて、自分がどこに帰属するか、どこに帰ってくればいいか、どこで仲間をみつけ、仲間に見つけてもらうことを期待できるか、そうしたことがはっきりするからである。」という一節。これ、犬たちの行動を観察した結果の考察だよっ!信じられる?まさに、人間の社会に対する鋭い考察だよね。

 複雑に見える人間社会を裸にできる目を養うには、動物やこどもの社会の観察を通すのが一番!同じ著者の新刊も出ている。きょこちゃん、これも期待している。

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