捨て犬トッティ (上)

飼い主に捨てられた犬たちが暮らす「ぽんこつ山」で育った僕。いつかきっと、ここから逃げてみせる。探すんだ、夢の中の女の子を。聞いてみたいんだ。「どうして僕を捨てたの」って…。ブログ生まれのファンタジー
新澪 ハルカ (著)
単行本; 374p; 19x13.6cm
けやき出版(2006-12)
捨て犬トッティ (上) 表紙
¥ 1,680 (税込)
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Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度5(2007-02-02)
捨て犬への感情移入がよくなされている
 主な登場人物は、元ホームレスのヤスダおじさんと心優しい青年獣医若月先生。
 主な登場犬物は、語りの「僕」ビーグル犬トッティ、彼を励まし続けるプードル犬ミーナ、彼の仲良し柴犬ルピィなどなど「ぽんこつ山」に住む捨て犬たち。総勢二百匹の代表者だ。
「どうして僕を捨てたの?」の巻頭詩からこの哀切な物語は始まる。
  僕は、いつも同じ夢を見る。
  やわらかい光が差し込んでいて。
  ふわふわで温かくて。
  何かにくるまっている夢。
  そして、だれかが優しく僕を呼ぶんだ。
  「トッティ」って。
  これが僕の名前なんだって。
  僕を呼んでくれたのは、小さな女の子だったような気がする。
 この物語は、その夢の中の女の子を一生かけても探すんだ、といういたいけな一途さが根底を流れる主音節になっている。ここに集う仲間たち、心ならず捨てられた飼い犬たちだ。人間のホームレスは自らの意志でそれを選んだ場合もあろうが、犬のホームレスは自らの意志で選んでそうなったのではなく、人間さまのご都合で見捨てられたのである。
 そして、このぽんこつ山で捨て犬が飼われているのは、不動産業者社長の慈善事業である。動物愛護団体の里親活動にも限度がある。いつどうなっても仕方のないぽんこつ山に住む犬たち。それでも人間並みの助け合い、いがみ合いの犬たちの寄り合い所帯が、生き生きと描かれて面白い。

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