フリックス
猫の夫婦の間に犬パグの赤ちゃんが生まれました。猫の町では大騒ぎ。その子はフリックスと名づけられ、すこやかに育ち、さまざまな才能を発揮していきますが…。あっと驚くおしまいが待っている絵本。
トミ ウンゲラー (著), Tomi Ungerer (原著), 今江 祥智 (翻訳)
大型本27.8x22.2cm
BL出版(2002-06)
¥ 1,365 (税込)
Amazon.co.jp カスタマーレビュー(1件)
おすすめ度
(2003-12-20)
一人でも多くの子どもにこの言葉を
幸福な猫の夫婦に犬の赤ちゃんが生まれる。フリックスと名付けられたこの男の子は、外見にとらわれずに両親からありのままを受け止められ、猫社会と犬社会の良い面を吸収し、のびのびと心優しい青年に育つ。あっと驚かされもするが、そのあとで温かいものが再び胸中を満たす。細かい所でふと笑いを誘うウンゲラのユーモラスな絵と、名文とも言える軽快な翻訳とがマッチして、何度もめくりたくなる絵本である。しかし、なんと言ってもこの絵本の魅力は、決して他者を排除しない大きな許容力が根底に流れていることではないだろうか。犬の子が生まれたときの猫の奥さんの「だいじにしてあげて。なんてったって、わたしたちの子どもじゃないの」という言葉や、自分たちの子どもが生まれたときの「よろこびもひとしお」だったフリックスの気持ち。これらの無条件の愛情を受けて育つ子どもが一人でも増えれば、異質なものを追い出し、排斥し、攻撃する社会が消えていくのではないだろうか。病んでいる現代を癒してくれる一冊であろう。
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