狂犬病注射による危険はないの?
おそらく飼い主の方が一番気になる点は、愛犬の健康への影響かと思います。 ワクチン接種での注意としては、副作用があり、100%安全なものではありません。 狂犬病の予防接種で亡くなったという犬もいます。

ワクチンとは
弱毒化した病原体(生ワクチン)や死滅した病原体(不活性化ワクチン)を注射することで、 その病原体に対する抗体を作り、未然に病気を予防します。

副作用は
1〜2日ほど元気がなくなったり、食欲が落ちたりすることがあります。 ほとんどの場合は、安静にして様子を見ていれば、問題ありません。 ごくまれに、急激な血圧低下や痙攣、嘔吐などのショック症状がみられ、最悪の場合は、亡くなることもあります。 全身性のショックは注射後数分以内に現れますので、一刻も早い応急処置が必要とされます。


最近のワクチンの安全性は極めて高く、局所的な過敏症で5%未満、重篤で命に関わるような全身性ショックは きわめてまれで、数千から1万例に1件にしか起こっていません。

安全性が高いとはいえ、狂犬病のワクチンは、安全性より、確実性が重視されているのが現状のようです。 狂犬病予防による注射は、もともと人を守るための法律です。 愛犬への安全性より、確実に効くことが重視されるのは、しょうがないのかもしれませんが、 より安全なものを使用できるようにして欲しいですね。


命に関わるような危険にさらされる確立は、決して高いものではありませんが、 リスクを理解した上で、注射をするかしないかの最終的な判断は、飼い主の責任です。

獣医師によって注射不適当・要注意とされた犬は、接種を猶予されたり免除される場合があります。 例えば、高齢、病気やケガの療養中、手術直後、妊娠中もしくは妊娠の可能性があったり、 激しい副作用の可能性がある場合などです。

注射を打つ際の注意点は?
  1. 健康であることが予防接種を受ける基本です。
    体調の悪い状態の時は、取りやめましょう。
  2. 以前、副作用が出た場合は、集団での接種は止めて、病院で受けましょう。
  3. 他のワクチンとの同時接種は避けましょう。
  4. 接種の後、急性のショックの有無を15分程度観察してから帰宅しましょう。
  5. 接種後、2〜3日は激しい運動を控えましょう。



法律で定められている以上は、注射をしないという選択はないのですが、 愛犬への負担もあるので、そう単純なものでもありません。
とはいえ必要以上に、注射が危険なことのように煽っていたり、制度自体への問題を語るサイトも多くありますので、 不確かな情報に流されず、冷静に判断するようにして下さい。
法律に問題があると考えるのであれば、法律自体の改正を行うように働きかける必要があります。 義務は守らないと権利も主張できません。

たとえ、今、狂犬病が国内で発生したとしても、すぐにまん延して、外出もできなくなったり、 予防注射をしていないからといってすぐに愛犬が危険な状況になるとは考えにくいです。 ただしパニックになって、大量に犬を捨てる人が増えるなどすると、どんな事態になるかは予想できません。

狂犬病の危険性が大きく注目された時に、法律を守っていない人が多いということになると、 マナーや道義的な話し以前の問題で、 犬を飼っている人の主張が受け入れられにくくなるでしょう。 そうなると、犬と暮らすことが、とても窮屈になり、犬と一緒にいける場所も少なくなってしまいます。

狂犬病だけでなく、社会からも、愛犬を守るという意味で、予防注射をきちんと受けることは必要です。


write:2006.11.29 ヤスハラD
参考文献&サイト
狂犬病[厚生労働省]
世界における狂犬病の発生状況と日本が取るべき対策[日本獣医師会]
狂犬病国際シンポジウムの概要[人と動物の共通感染症研究会]
人と動物の共通感染症を考える[北海道立衛生研究所]
狂犬病組織培養不活化ワクチン[農林水産省動物医薬品検査所]
ペット関連資料[日本ペットフード工業会]


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